研究概要 |
本研究は,世界各地のチャイナタウンの地域的性格を解明し,それらの要因について考察し,最終的に世界のチャイナタウンの類型化を試みることを目的とした。 そのために,まず,国内および海外各地のチャイナタウン,華人社会,エスニック問題に関する文献資料およびフィールドワークで得られたデータの分析・考察を重点的に進めた。 同時に,日本三大中華街(横浜中華街,神戸南京町,長崎新地中華街),東南アジア,アメリカ,カナダ,オーストラリア,∃ーロッパなど世界各地のチャイナタウンおよび中国における海外華人の出身地(「僑郷」と呼ぶ)において,土地利用,景観を中心とするフィールドワークを重ねてきた。 そのような過程を経て,世界各地のチャイナタウンの地域性,普遍的性格をさらに整理・分析し,世界のチャイナタウンの類型化を試みた。その結果,世界のチャイナタウンは,ダウンタウンに形成された「オールドチャイナタウン」と郊外の住宅地域に最近形成された「ニューチャイナタウン」の二大類型に分けることが妥当であることが明らかになった。さらに,オールドチャイナタウンは「旧来型」と「観光地型」に,ニューチャイナタウンは「優良住宅地型」と「労働者住宅地型」に細分することができた。
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