研究概要 |
平成12年度交付申請書に記載した「研究目的・研究実施計画」の事柄等および11月にテフェ(Tefe)において行った現地調査等から得られた新たな知見等の成果は,概ね次のとうりである. 1,アマゾン河,Obidos(1゜54′58″S,55゜30′30″W)地点における日水位の観測値(1976-1999年)が,DNAEEおよびANEELより入手できた.これらのデータの解析の結果,(1),同地点の最高水位は6月に現れ,最低水位は11月に現れる.(2),最高水位および最低水位の出現の間の水位変動波形は,一つのパターンとして規則的に毎年繰り返される.(3),6月に現れる最高水位の値は年によって異なる.最大値は,標高で800cm(1989)であり,最小値は575cm(1980)であった.較差は225cmである.(4),11月に現れる最低水位の値は年によって異なる.最大値は,標高で300cm(1986)であり,最小値は約0cm(1998)であった.較差は約300cmである.(5),1976-1999年の間の日水位の平均値を求めた.それによると,6月に現れる最高水位の平均値は標高で595cmであり,11月に現れる最低水位の平均値は163cmである.最高水位の平均値と最低水位の平均値の間の変動幅はは432cmである. 2,Obidos(1゜54′58″S,55゜30′30″W)地点における日流出量の観測値(1968-1998年)が,ANEELより入手できた.これらのデータの解析の結果,(1),同地点の日流出量の最大値は6月に現れ,最小値は11月に現れる.それぞれ水位の年変化に対応している.(2),Obidos地点における日水位と日流出量の対応関係,水位流量曲線等に関する解析は,さらに継続する. 3,アマゾン河,Tefe(3゜22′33″S,64゜39′39″W)地点における日水位の観測値(1982-2000年)が,ANEELおよび11月の現地調査により揃った.それによると,年間を通しての最高水位は6-7月に現れ,最低水位は10月に現れる.詳細な解析は,現地で採取してきた試水の分析と併せて継続的に進める.
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