本研究は、公的介護保険制度下で、高齢者の介護にかかわる介護労働者を、質量ともに十分に確保しようとする際に、どのような課題があるのかをさぐり、指摘しようとするものである。 平成12年度は、以下のような内容で研究をすすめた。 (1)既存の諸研究の整理を行った。 介護保険制度下の介護労働において基幹的位置をしめるホームヘルパーについて、文献や調査報告によって、その労働の制度上の位置づけ、実際上の位置づけ、諸課題について整理した。 また、ケアマネージャーは日本では新しい職種であるが、諸外国における労働の制度上の位置づけ、実際の位置づけ、諸課題について整理するとともに、日本の公的介護保険制度上の位置づけについて整理を行った (2)介護保険制度について利用者側からの調査を行い整理した。 介護保険制度の主たる対象者である65歳以上の人へ制度の認知やよくわからない場合の対処方法、介護の問題の有無と有る場合の内容、また実際に介護保険制度の申請者およびサービス利用者へは、ケアマネージャーやサービス事業者選択の経緯について尋ねる調査を行い整理した。
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