3年計画の初年度の本年度は、機能に障害をもつ者、加齢変化による機能の発達や低下がみられる者などが脱ぎ着がしやすい衣服設計に関する着用実験の方法や解析方法などの基礎的事項を検討した。 先ず、動作と着やすさと衣服構造の関係を把握のための実験方法の検討を目的に「上肢障害と襟ぐりの開きに関する試着実験」から実験着の形態・素材・開きについての条件設定、障害の条件とシミュレーション実験の方法ならびに実験環境と観察の方法の基礎的実験を行った。その結果、バリヤーフリ一の視点からの分析の方法ならびに実験条件の妥当性が検証され、追加すべき事項も明らかになった。 一方、被服のサイズや形態と動作性に関して靴に視点をあて、着靴条件と歩容、足部形態と靴のゆとりと履き心地の評価ならびに靴のデザインと歩容に関する歩行実験を行った。着靴のしかたと児童の歩容との関係については、日本家政学会(名古屋)において研究成果を発表した。 靴のゆとりと履き心地に関する評価についての基礎実験では、靴の設計(デザイン)によって、異なるなどの知見を得た。 第2年目は、試着用実験着の服種と障害条件の多様化、被験者数を増すなどを試み、着用実験による動作軌跡の解析、被服圧と着心地の感覚評価との関係に関しての実験を進める予定である。
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