研究概要 |
3ヵ年計画の研究の第2年目の平成12年度は、先ず、上肢の障害ならびに視覚障害における着脱と衣服の留め具との関係ついての着脱動作性に関する着用実験を行った。 視覚障害者については、社会生活適応リハビリ過程における衣生活行動でのバリヤー体験について、聞き取り調査をして問題点を類型化した。これに関しては、日本家政学会53回大会(岡山,2001.5.13)において口頭発表(2L a1)をする。一方、6種類の留め具を用いた実験服を試作し、14名のアイマスク着用の健常者と1名の視覚障害者(全盲)とを被験者として、視覚障害に関する着脱実験をした。 次いで、手指の障害に関する着脱の実験では、14名の健常者に利き手の第一指を固定するという障害を設定して着用実験を行った。着脱の難易性に関する被験者の官能検査とビデオによる動作性の記録から分析を試みた。その結果の一部も、日本家政学会53回大会(岡山,2001.5.13)において口頭発表(2L a2)する。留め具の種類による着脱の難易度に顕著な差が明らかになった。次年度は被服圧から動作性について検討する予定である。 他方、中国ハルピン市において高齢婦人100名を被験者として、身体計測(62項目)を実施した。中国の高齢者の体型特性を捉える目的で現在解析中である。 中学生の学習用具携行についての研究のから衣生活行動の視点からみた通学鞄に関する実態を日本政学会誌(51,839-847)に報告した。
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