研究課題/領域番号 |
11680120
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研究機関 | 椙山女学園大学 |
研究代表者 |
加藤 雪枝 椙山女学園大学, 生活科学部, 教授 (10065021)
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研究分担者 |
雨宮 勇 椙山女学園大学, 生活科学部, 助教授 (80247600)
橋本 令子 椙山女学園大学, 生活科学部, 助教授 (80139964)
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キーワード | 光色刺激 / 音刺激 / 綿布空間 / α波含有量 / 心拍数 / 快適性 / 因子分析 / 重回帰分析 |
研究概要 |
色の違いによるストレスの研究 大小の面積が異なる光色刺激を呈示し、ストレスを生理的、心理的関係より求め、感情と脳のメカニズムを検討する。α波含有量(リラックス)が後頭部位において高い傾向にあり、大面積条件において、また、彩度が高い場合、α含有量が抑制される。寒色系の色が一般にα波含有量が高く、1/fゆらぎ値(快適性)においても快適と判断される。心拍におけるHF成分において、純色は色によりストレスの影響が現れる。α波は主として「くつろぎ」の因子と正、「活動性」の因子と負の相関にあることが明らかとなった。 空間の大きさの違いによるストレスの研究 床面積4.5、6、8、12畳、天井高2.3、2.5、2.7mと変化させた空間を綿布を用いて作成した。色はN7と5B4/8である。ただし5B4/8は6畳のみとした。この空間の中でストレスを調べた。これらの空間は、開放・快適の因子、刺激の因子、柔らかさの因子で表される。最もα波の含有量が高いN7の空間は、4.5畳の2.3mであり、開放・快適性を負と感じるイメージである。一方、12畳の高さ2.5、2.7mもα波の含有量が高く、開放・快適性は正のイメージである。これらの空間においては心拍数は少ない。また、ブルーの空間では6畳2.7mの高さであり、開放性のないイメージであった。 音の刺激によるストレスの研究 日常音の中から6種類の音刺激を選定し、脳波と心拍、14形容詞対による評価を15名の被験者に対して測定し両者の関係を検討した。結果、α波出現率は脳前頭部から後頭部にかけて増加傾向を示すが個人差が認められた。1/fゆらぎ特性より風鈴、小鳥のさえずりの音刺激については前頭部に快適性を示し、セミの声、ジェット機の音刺激は頭頂部において緊張状態を示した。また心拍数は呈示前より呈示中に減少する傾向がみられた。心理指標より音刺激は快適感、情緒感、明朗感の3因子が抽出され、生理指標との対応は特に快適感に深い関係がある。
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