研究概要 |
試料として日本晴を用い、0、0.05,0.1および02Mに調整した酢酸水溶液に浸漬年後、炊飯した。炊飯米の外観(つや、透明感、白さ)、食した時の硬さ、粘り、ボソボソした感じおよび総合的な好ましさを官能検査で評価した。また物性および呈味成分量(遊離糖、遊離アミノ酸)の測定を行った。さらに炊飯過程の試料を米と炊飯液とに分けて、溶出してくる固形分量、還元糖量、タンパク質量を測定した。さらに炊飯米を1時間、20℃に放置後、ポリエチレンバッグに入れて密封し5℃で3から53時間保存して老化米飯を調製し、官能評価および物性測定を行った。 2点強度尺度試験法により0.1M酢酸添加米を評価した結果、添加米は無添加米に比べて、有意につやおよび透明感があり、軟らかく、粘りが強いことが認められた。また官能検査による保存中の老化感の変化もやや小さかった。テクスチュロメーターにより、米飯の硬さは0.1M酢酸添加によって、また粘りは0.05M添加で有意に大きくなることが認められた。酢酸添加米遊離糖の内、フラクトースおよびスクロースには変化が見られなかったが、グルコース量は酢酸添加により、約1.5倍にも増加した。総遊離アミノ酸は酸添加によりわずかに増加した。 無添加米において、炊飯液中に溶出する固形分および還元糖量は80℃で顕著に増加した。酢酸添加は固形分の溶出には影響しなかったが、還元糖量には大きく影響し、添加米では60℃において酢酸濃度に依存して溶出量が増大した。酢酸添加はタンパク質の溶出にも大きく影響し、溶出量は酢酸濃度に依存して増加した。
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