研究概要 |
まず、日常の食生活の質を考える際の一つの角度として,子どもたちの食に与える影響の大きい学校給食について検討した。今年度は、学校給食における食文化教育の重要な視点である「人権の尊重」や「社会性の育成」に効果的な役割を果たすことができると考えられてい栄養士に関して、学校給食の「質」という観点からみた。栄養士と子どもたちの交流がなされている学校では、学校給食の「質」が高いことが明らかになった。また、そのようなところほど、給食食材に地場産物が使用されていたり、食器具に陶磁器製のものが用いられるなど、「グリーン購入」の度合いが高い傾向もみられた。今後、これらと「食文化の回復」の接点について、より明確にしていく必要がある。 つぎに、一般の家庭における食について見ていくに当たり、「食文化の回復」の指標は、1.料理の手作り度、2.和食や伝統的な家庭料理、あるいはカタカナ料理の登場頻度、3.家庭における加工品の手作り度、を主たる内容として検討している。「食におけるグリーン購入」の指標は、1.市販加工食品の利用度と食品添加物の摂取度、2.無農薬、有機野菜の利用度、3.旬の食品、地場産物の利用度、を主たる内容と考えている。「食の質」を測るための指標には、1.一食における料理構成、および朝食の内容、2.野菜の摂取量と調理方法、3.食事の際に家族の揃う割合、4.不定愁訴の有無があげられる。 これらをよく吟味した上で、次年度は,家庭への調査による食の質の評価について明らかにする。
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