1.電解中性水処理と次亜塩素酸ナトリウム溶液処理との比較 (1)カットホウレンソウ、キュウリ、ニンジンおよびジャガイモに対する電解中性水(有効塩素50ppm)の浸漬処理は、一昨年の結果とほぼ同様に、カットキュウリでは有効塩素50〜100ppm、ホウレンソウでは有効塩素100〜150ppmの次亜塩素酸ナトリウム溶液処理と同等の殺菌効果を示した。これらのカット野菜の処理後のビタミンC含量とカリウム含量は、次亜塩素酸ナトリウム溶液処理では大きく減少したのに対して、電解水処理区では減少量はわずかであった。ただ、カット野菜中のナトリウム含量は、電解液(食塩水)から由来するナトリウムの残留により、電解水処理区で増加する傾向が見られた。 (2)カット野菜の製造工場において、カットキュウリとニンジンの製造工程中の洗浄に、有効塩素200ppmの次亜塩素酸ナトリウム溶液と有効塩素20ppmの電解中性水を使用する工程を設けたところ、両処理による殺菌効果に差は認められなかった. 2.電解中性水処理とCA貯蔵 カットキュウリを電解中性水(有効塩素50ppm)処理後に、空気と2%O_2の通気下で5℃と10℃に貯蔵した。10℃区では、電解水処理は、カットキュウリの乳酸菌数を貯蔵中も低く維持し、また呼吸量、エタノール生成量、ビタミンC含量および硬さに影響を及ぼさなかった。5℃貯蔵では低温による品質保持効果が大きく、電解水の菌数抑制効果は空気、CA貯蔵中ともに認められなかった。
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