研究概要 |
1.外因性内分泌かく乱化学物質(環境ホルモン)作用が懸念されている保存料のパラオキシ安息香酸ブチルとその他のパラオキシ安息香酸エステル類(パラベン)計5種類についての同時分析成績を「Simultaneous Determination of Sodium Benzoate and p-Hydroxybenzoate Esters Using High-performance Capillary Electrophoresis」として Kawasaki Journal of Medical Welfare,7(1),33-41に発表した. 2.酸化防止剤のブチルヒドロキシアニソール(BHA)およびジブチルヒドロキシトルエン(BHT)の同時分析法を高速液体クロマトグラフ法(電気化学検出器による),キャピラリー電気泳動法およびガスクロマトグラフ法で分析法バリデーションについて比較検討し,第55回日本栄養・食糧学会大会 講演要旨集,Annals of Nutrition and Metabolism, Abstracts [17^<th> International Congress of Nutrition in Vienna,2001]および川崎医療福祉学会誌,11(1),133-139に発表した.HPLC(UV)による成績は発表予定である. 3.保存料(パラベン5種類)と酸化防止剤(BHAとBHT)の計7種類について,キャピラリー電気泳動法により検討した.すなわち,泳動溶液として30mM SDS添加の20mM四ホウ酸ナトリウム溶液を用いた場合,これら7種類の物質は11分以内に分離移行することが認められた.移行時間(分)は,エチルパラベンが5.5,イソプロピルパラベンが6.1,プロピルパラベンが6.3,イソブチルパラベンが7.3,ブチルパラベンが7.5,BHAが8.3およびBHTが10.6であった.成績は今後発表する予定である. 4.植物油へのBHAとBHTの添加回収率を調べ,上記のすべての分析法で良好な成績を得た. 食品中のBHAとBHTの定量法については,現在検討中である. 5.関連研究として,「イオンクロマトグラフィーによる尿中陰イオンの分析」および「食用油の光酸化抑制に対するβ-カロテン濃度の影響」を発表した.
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