同一栄養成分組成で半合成飼料を固形食、粉末食および流動食に調製したものを摂取した場合の主に脂質代謝への影響について、性別、新生仔および次世代への応答について検討した。 食べ物の形態が異なる場合、血清コレステロール濃度は粉末食・流動食に比べ固形食(硬い)の形態で摂取した方が上昇を抑制することができた。一方、肝臓のコレステロール濃度は、固形食・粉末食および流動食のいずれもほぼ同様の濃度であった。 この現象は、性別の違いおよび世代を経ても同様なコレステロールの濃度傾向を示すことが分かった。このようなコレステロール代謝は、以下のことが一因になったものであろう。 同一栄養量の飼料を摂取し終わるまでに費やした時間に違いがみられ、固形食で最も長く、ついで流動食で最も長く、ついで流動食で、粉末食が最も早く食べ終わっていることや血清のカテコールアミン濃度が固形食に比べ流動食で高くなっており、ホルモンを介しての作用が発現したことを示唆しているものであろう。また、栄養状態の指標となる血清総タンパク質、アルブミン濃度およびA/G比率は固形物・粉末食・流動食のいずれも、性別や世代を経ても変化が見られないことから、栄養的効果は劣らないものであろう。医療現場の現状は、高齢者や嚥下障害者向けの食事としてミキサー・きざみ食が支流をしめているが、いろいろと問題点も指摘されており、これを解決するためには、ある程度粘度があることおよび咽頭残さができるだけないことが必須条件である。 以上のことから、栄養的で有効な流動状態(軟らかい)の食品(食物)の開発と応用への可能性を示唆する結果を得ることができた。
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