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2001 年度 実績報告書

ダチョウ肉の鮮度と肉色に及ぼす貯蔵環境の影響およびその調理性について

研究課題

研究課題/領域番号 11680152
研究機関飯田女子短期大学

研究代表者

千 裕美  飯田女子短期大学, 家政学科, 講師 (40281563)

研究分担者 唐澤 豊  信州大学, 農学部・食料生産科学科, 教授 (30060528)
遠藤 金次  関西女子短期大学, 保健科, 教授 (20031643)
キーワードostrich / meat / muscle / hardness / texture / cooking / drip / collagen
研究概要

加熱調理中のダチョウ肉の物性変化について,牛肉および鶏肉との比較を行った.
市販の南アフリカ産ダチョウ腿肉(M. iliofibularis),アメリカ産牛腿肉(middle gluteal m.)および長野県産鶏胸肉(M. pectoralis superficialis)を3×4×1cmの大きさに切り取り,蒸し器で加熱調理した.その過程における内部温度,加熱損失率,収縮度を測定し,硬さおよび凝集性は山電製レオナー(RE-3305)で計測した。解析は,破断強度解析ソフトおよびテクスチャー解析ソフトで行った.
ダチョウ腿肉の加熱損失率は,牛腿肉と同様,内部温度が70℃に達するまで急速に,その後は緩慢に増加した.完全加熱状態でのそれはダチョウ肉,牛肉でそれぞれ38%,42%と類似しており,鶏肉は27%であった.加熱による収縮の仕方は,繊維の方向において,3種の肉とも同様に収縮したが,他方向は肉の種類により異なっていた.ダチョウ腿肉と鶏胸肉は,1方向に収縮すると同時に他方向に膨張したが,牛腿肉は3方向とも同様の割合で収縮した.また,加熱前のダチョウ腿肉は,鶏胸肉と同様の軟らかさであったが,加熱により牛腿肉よりも硬くなった.3種の肉の凝集性はすべて凝固中に増加したが,その後は肉の種類により異なっていた.ダチョウ腿肉では,調理時間を長くしても凝集性の減少はなかった.
以上より,加熱調理中のダチョウ腿肉の物性変化は,収縮が鶏胸肉に類似し,加熱損失率および凝集性が牛腿肉に類似し,硬さが凝固中に急激に増すという特性を示した.また,以前に報告した嗜好調査で,刺身,たたき,マリネなどの完全加熱しない料理法が好まれた理由として,肉の物性が関与していることが示唆された.

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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