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1999 年度 実績報告書

運動によってたんぱく質必要量は変化するか

研究課題

研究課題/領域番号 11680154
研究機関光華女子短期大学

研究代表者

小垂 眞  光華女子短期大学, 生活学科, 教授 (80167402)

研究分担者 金本 龍平  京都府立大学, 農学部, 助教授 (70147297)
キーワード成熟ラット / たんぱく質必要量 / 糖新生 / セリン脱水酵素 / 余剰アミノ酸 / グルカゴン
研究概要

成長期ラットと成熟ラットのたんぱく質必要量の違いと糖新生の酵素であるセリン脱水酵素(SDH)の発現状況について検討した。
成長期ラット(4週齢SD系雄)と成熟ラット(6ヶ月齢SD系雄)にそれぞれカゼイン含量の異なる食餌を与えて飼育し,各飼料群ラットにおける窒素出納,SDH活性およびSDHのmRNAを検出した。成長期ラットでは,窒素出納値と体重増加量は25%カゼイン食の時に最大となり,カゼイン含量が25%を越えるとSDH活性の誘導が始まった。一方,成熟ラットではカゼイン含量10%以上の時に窒素出納が維持され,SDH活性も誘導された。成熟ラットに25%カゼイン食を与えた時のSDH活性は,成長期ラットに50%カゼイン食を与えた時の活性に匹敵した。
これまで,高たんぱく質食によるSDHの発現調節機構がよく研究されており,高たんぱく質摂取時に分泌が亢進されるグルカゴンがSDHの転写調節に関与することが知られている。しかし,今回の結果はこれまでの考えだけでは説明できず,窒素出納値との関連を考慮すると,余剰アミノ酸が何らかの機構で認識されてSDH活性を制御しており,SDH活性はSDHのmRNA量に比例していることから,転写過程での制御であるものと推察できる。以上のことにより,SDHの誘導はたんぱく質必要量に応じて変化し,余剰アミノ酸量に応答して発現変動するものと考えられる。また,SDHはたんぱく質必要量を求めるための分子レベルでの有効な指標となるばかりでなく,たんぱく質栄養に対する代謝応答の分子機構を究明する手がかりとなるものと思われる。

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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