研究課題/領域番号 |
11680156
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研究機関 | 神戸女子短期大学 |
研究代表者 |
森下 敏子 神戸女子短期大学, 食物栄養学科, 教授 (70125144)
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研究分担者 |
稲垣 寛 神戸女子大学, 名誉教授
岡田 祐季 神戸女子短期大学, 食物栄養学科, 助手
細見 和子 神戸女子短期大学, 食物栄養学科, 講師
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キーワード | ケナフ乾燥葉 / HPLC / カルシウム / 鉄 / 食物繊維 / カテキン / 麺 / 破断強度 |
研究概要 |
平成12年度は「ケナフの老年期の食事への利用」に焦点をあて、麺類への添加方法を検討した。平成11年度で報告したようにケナフ葉には苦みがあり、食品への添加に影響をあたえることから、苦み成分の検討を行なった。HPLCおよびHPTLCの結果より、カテキン類と同じ挙動を示すピークならびにスポットが検出された。 官能検査より、麺類にケナフ葉を添加する場合の、食性に適度な範囲を求めた。さらにその範囲の拡大をはかるために、ケナフ葉の蒸し加熱および乾燥方法を検討し、操作段階におけるカテキン濃度の変化を求めた。 ケナフ葉の蒸し加熱の結果、5分と10分加熱ではカテキン量の減少がみられたが、10分と15分では変化がみられないため、10分加熱を行なった。乾燥方法は蒸し加熱を行なった後、電子レンジ加熱を行なうことにより、2分30秒までカテキンの減少がみられたが、3分では葉が焦げ、状態が悪化するため、2分30秒で水分7.7%まで乾燥を行なった。乾燥後のカルシウム、鉄および食物繊維の量は鉄では20%減少し、カルシウムでは20%の増加がみられたが、食物繊維では変化はみられなかった。乾燥ケナフ葉を麺に添加し、食性を検討した。官能検査の結果、添加率3%の範囲で利用可能であることが示唆された。添加率の上昇に伴い破断強度が低下し、無添加の麺と比較した場合、鉄は約2.5倍、カルシウムは約2倍、食物繊維では約3倍の増加がみられた。 これより環境にやさしい植物として注目されているケナフが食にも利用が可能であり、第三次機能としての栄養効果が期待されることが示唆された。また、麺類への利用においても、ケナフ葉の添加により硬さの減少をはかることが可能なことから、老年期の食に適していることが見とめられた。
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