研究概要 |
平成11年6月に「食と心の関連」を探る目的で,現状について7項目(体格,住環境,兄弟数等),生きがい意識および人間性を土台とした価値観6項目(人聞の生き方に関する意識,現在の不満・悩み,生きる目標,結婚条件,出費の目的等),食意識17項目(現在の食状況,食糧危機,健康との関連,遺伝子組み換え食品およびインスタント食品,孤食,食のマナー,行事食および郷士食の伝承等に対する意識),食品摂取状況16項目,食の簡便化4項目,食行動11項目,ダイエット状況と意識7項目,生活行動7項目,疲労状況30項目,クレッチマーの性格類型調査35項目のアンケート調査紙を作成し,本学学生70名にプレテストを実施した。その後,10月下旬〜11月初旬にかけて,協力依頼にご快諾いただいた北海道・関東・関西・九州(本学)4地域に出向き,食物栄養専攻学生と文系・芸術系女子短期大学2年生を対象にアンケート調査を実施し,完全回答1111名のデータについて,地域別,学科専攻別,孤食に対する抵抗の有無別,学校教育の中で「人間の生き方」を学んでいるという意識の有無別に群を分類し,質問項目との関連をみた結果,それぞれに有意な関連が多くみられた。 1,食品摂取状況では地域別および学科専攻別に顕著な差があり,食物栄養専攻学生が望ましい食状況にあった。 2,学校教育の中で「人間の生き方」を学んでいると認識している群は,運動する習慣があり,疲労度が低く,おおらかで外交的な性格傾向をもち,望ましい食品摂取状況および食の意識と行動が多かった。 3,孤食に抵抗のある群は,望ましい食状況があり,家族の存在を重んじて,性格的にはやや依頼心が強い。 平成12年度は,日本栄養改善学会発表と本学紀要への投稿を予定しており,さらに,平成12年1月,年代別比較を目的として20歳代〜70歳以上の10歳括りで回収した758名のアンケート調査紙のデータ入力を始める。
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