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2001 年度 実績報告書

漆塗装物の展示と保存に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 11680165
研究機関金沢工業大学

研究代表者

小川 俊夫  金沢工業大学, 工学部, 教授 (50183249)

研究分担者 大澤 敏  金沢工業大学, 工学部, 助教授 (50259636)
キーワード漆 / 耐光性 / 蛍光灯 / 光沢 / 臭素化 / 色差 / 古文化財 / 紫外線
研究概要

昨年度までに漆膜の耐久性に関してわかったことは紫外線を除去するように設計された博物館用蛍光灯を用いると、かなり変色が防げることが判明した。また、雰囲気としては窒素雰囲気よりもむしろ酸素雰囲気が湊膜の変色を防ぐことがわかった。
ところで漆膜の変色はなぜ起こるかと考えれば、ひとつにウルシオール分子中に二重結合が存在するが、漆硬化中に完全になくなることはなく、見かけ上硬化しても未反応の二重結合が酸化されて分子構造が変化することが考えられる。そこで、この未反応の二重結合を臭素化してしまえば変色が防げるのではないかと考え、漆膜硬化後臭素化を行った。その結果、蛍光灯の光にあてても、臭素化しない物よりはるかに変色が少なくなることが明らかになった。ただし、光を当てると表面臭素量は減少し、最終的にはほとんど臭素がなくなる。また同時に酸素量は増加する。臭素化しようがしまいが表面酸素量は増加するが、その酸化の過程が異なるようである。このため、臭素の反応は二重結合だけでなく、フェニル基との反応にも関係あるものと考えられる。なお、光沢は臭素化すると向上する現象が見られ興味深い。また臭素化時間はあまり長いとかえって漆膜がもろくなるので、漆膜を10分程度臭素蒸気に曝すのが最適である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 小川俊夫: "臭素付加による漆膜の外観安定化"高分子論文集. 59・3. 127-132 (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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