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1999 年度 実績報告書

古代金属糸の材質と製作技法の歴史的変遷に関する材料科学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 11680168
研究機関奈良国立文化財研究所

研究代表者

村上 隆  奈良国立文化財研究所, 飛鳥藤原宮跡発掘調査部, 主任研究官 (00192774)

キーワード金糸 / 金工品 / 材質 / 製作技術 / 蛍光X線分析 / 走査型電子顕微鏡
研究概要

金属を用いて製作されたさまざまな製品の中でも金製品は特別の存在である。錆びない性質を持つ金は古代に製作されたものでも現在までその輝きを失わない。その中でも特に金糸の存在は異彩を放つ。金属本来の持つ硬い性質を有しながら、、自由に変形できる柔軟性を備え、古代から服飾などの装飾には欠かせない素材と考えられる。本研究は主に古代金糸に着目し、その材質と製作技術を材料科学的に解明することを第一の目的としている。本年度は、山陰地方の古代の横穴墓から出土した金糸の材質を調査する機会を得た。金糸は、これまで畿内を中心に首長級の墳墓から出土することが多かったことからも注目される資料である。材質については、非破壊的手法を用いた蛍光X線分析法により調査し、金が約96%、残りを主に銀が占め、他に微量の銅を含むことがわかった。古代の金製品としては、金の純度がたいへん高いことがわかる。また、形状的な特徴として、厚さ10μm程度に薄く延べた金を幅約150μmの条に裁断したリボンを太さ200μm程度のコイル状に巻いたものであることが、光学顕微鏡、並びに走査型電子顕微鏡の調査により判明した。これは、後世の織物などに織り込まれて使用される金糸とはまったく異なる構造を呈することがわかった。おそらく、布の上に要所を留めて用いられたのではないかと、考えられる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 村上 隆: "金属の調査研究法"美術を科学する(日本の美術). 400号. 20-32 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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