研究概要 |
貫井は平成11年度は千葉大学附属小学校における教育実習生の実習前後における授業観の変容についての意識調査を中心に研究を実施した。その結果から、実習生の授業観は学生が従来経験してきた知識伝達型の一斉授業をイメージしていることが判明した。また、学習指導案にとらわれ、授業をうまく流すことに精力を注ぎ子どもの実態を把握できていないこともわかった。 本年度は昨年の調査をさらに詳しく見るため、教育実習生に各週毎に報告書を提出させ、実習生の時間的変化について調べた。その結果から、4週間の実習期間では授業について、子ども、教師、教材の関係、特に子どもの意識を感じ取る学生は非常に少ないことが分かった。後期実習においては、ポートフォリオにより、実習生自身が自己評価をすることを試みた。しかし、実習が非常に忙しいことから、ポートフォリオの作成に非常に大きな負担がかかることが分かり、今後の課題となった。 村井は認知情報処理の実践研究を通して、新しい授業観の確立を試みた。学力の3要素として、(1)知識・理解(2)能力(3)態度があるが、現在はこのうち(2),(3)が強く意識されている。今回は、この3要素の関係を脳科学の新しい知見の基づき、新しい授業観の構築を行った。 三宅はイメージマップの研究から学生の意識の変容を探り、表に表出しない意識の解明を試みた。 吉田は現在アメリカを中心に盛んに研究されているアクションリサーチの手法を教育実習生の意識調査に活用する基礎的な研究を行った。 これらの研究はいずれも平成11年(富山大学),12年(鳴門教育大学)に開催された日本教育工学会で発表した。
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