研究概要 |
本研究は,中学生の理科学習意欲を効果的に育成するための学習指導法の在り方を,授業の背後にある教師の目標観と実際の授業で観察される教師の教授行動に着目して,考察することを目的としたものである。 平成11年度は,教師がどのような目標を持って授業に取り組んでいるか,いいかえれば理科教師の授業目標観を明らかにすることを目的として研究を進めた。具体的には,学習意欲に関する文献調査を行い,かつ中学校理科教員の協力の下で,授業目標観を特定するための質問紙を作成することに努めた。文献研究から,Dweckらによって,提唱され,NichollsやAmesらによって発展されつつある目標理論(Goal 0rientation Theory)が,教師の授業目標観を特定するための質問紙を作成する上で,有益な示唆を与えるであろうことが明らかにされた。 質問紙の作成と並行して,学習意欲と理科の主体的な学びとの関連性とを検討し,学習指導における学習意欲の育成の意義について考察した。また,上記質問紙を作成するための資料を得るために,小学校における理科学習の好き嫌いと内発的動機づけとの関連を探る調査を行った。その結果,学習内容によって,児童の学習に対する動機づけがかなり異なってくることが明らかにされた。
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