心的切断テスト(あるいは、切断面実形視テスト、Mental Cutting Test、以下、MCTと略す)は空間認識力の評価テストとして広く用いられている。本年度においては、通常のMCTにおいては見取り図で与えられている問題を、液晶シャッター式立体視眼鏡を用いて両眼立体視するシステムを開発した。このシステムにおいては、パソコンCGにより、実際の立体を見た場合に相当する右目画像と左目画像を交互に作成、表示する(30 cycles/sec)。被験者には、これと同期して開閉する液晶シャッター式眼鏡を掛けて、この画像を見てもらう。これにより、被験者の右目には右目画像が、左目には左目画像が与えられ、両眼立体視を実現することができる。このシステムにおいては、両眼立体視画像の生成の際に視距離等のいくつかのパターメーターを適切に設定する必要がある。そこで、ある程度システムを開発した段階で、10名程度の被験者を対象に予備実験を行い、これらの予備実験の結果を基に上記パラメーターを設定し、システムを完成した。予備実験の結果は、当初予想したように、両眼立体視により問題立体の認識が容易になり、通常のMCTに比べて正解率が向上する傾向を示している。 現在、次年度に行う予定の本実験へ向けて、実験手順を確定する等、準備を進めている。
|