研究課題/領域番号 |
11680183
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
柳本 成一 福井大学, 教育地域科学部, 教授 (20042971)
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研究分担者 |
竹之内 脩 大阪国際大学, 経営情報学部, 教授 (20029375)
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キーワード | 学習指導法 / 授業研究 / 思考活動 / 数学教育 / 幾何教育 / つくっていく数学 / 思考活動の表現フレーム / 学習指導原理 |
研究概要 |
前年度までの研究成果を踏まえて新たな研究の展望が開けたのが平成11年度の最大の成果である。その基礎は、次の3条件による「思考活動の表現フレーム」の再定義にある。 (1)与えられたシチュエーションにおいて、子ども達は「思考活動の表現フレーム」を使って思考活動の一部を構成・表現することが出来る。 (2)与えられたシチュエーションにおいて、「思考活動の表現フレーム」だけでは如何なる思考活動も表現することが出来ない。 (3)与えられたシチュエーションにおいて、同種(or 異種)の「思考活動の表現フレーム」を結合したものを使って、より複雑な思考活動を構成・表現することが出来る。 我々は3タイプの「思考活動の表現フレーム」を導入して授業の研究実践を試みてきたが、とくに、中学校2年生の幾何の論証における学習指導において非常に注目すべき成果を得ることが出来た。それは、次のような活動で構成される幾何の学習活動に関する研究実践である。(a)既知の事項として取り扱われる事柄を"picture表現"する。(b)注目している図形に関する情報(辺や角の間の関係など)をいろいろな記号を使ってその図形に書き込む。(c)(a)(b)で得られた(注目している図形に関する)"picture表現"された情報を「思考活動の表現フレーム」組み込んでさまざまな小命題を構成する(d)(c)で得られた小命題を組み合わせてさまざまな推論の流れを含む"CHART"を作成する。(e)(d)で得られた"picture表現"された"CHART"に対応する"言語表現化"された"CHART"を作成する。 上記の(a)(b)(c)(d)(e)で構成される学習活動を組み込むことによって、これまで授業に参加できなかった子ども達も自分の持てる力を最大限に発揮できる幾何の授業を展開することが出来ることがわかってきた。
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