研究概要 |
1 前年度に中学校理科教科書から抜き出した理科教育用語(のべ6,000語余)の分析を進め,その結果の一部を,理科教育学会九州支部大会で報告した。 2 平成14年度施行の改訂学習指導要領に準拠した新しい教科書が出来上がったころ,いわゆる"教科書問題"(杜会科教科書の記載内容が外交問題に発展したこと)が発生し,そのあおりで理科教科書についても公開の制約を受けて,入手が大幅に遅れた。 3 平成14年2月に至り,手配中の新年度用教科書(小中学校『理科』全種類)がやっと入手できたため,まず,小学校理科教科書について,従来と同じ方針で用語の抽出を行った。 4 教科書の章構成は教科書ごとに異なっているため,各教科書の各章を,それぞれ学習指導要領の内容の大項目に当てはめ,便宜上,1つの大項目を1単元とみなして整理した。 5 学年ごとにまとめた用語の延べ数(種類数)は次の通りであった。(合計約6,400語) 第3学年:約1,100語,第4学年:約1,500語,第5学年:1,800語,第6学年2,000語; また,学習指導要領における理科の区分ごとに集約すると,次の通りであった。 A区分(生物とその環境)約2,300語,B区分(物質とエネルギー)約2,400語,C区分(地球と宇宙)約1,700語 6 新課程の中学校理科教科書については,まだ用語抽出に手をつけることができなかった。 今後,小学校の理科以外の教科書(例えば『国語』『生活』など)とともに,用語の抽出と分析を行い,小学校理科教育用語との関連を明らかにし,標準初等理科教育用語集(試案)の策定を行いたいと願っている。
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