平成12年度は、主として次の2点を中心に研究を行った。 1.学習指導法の検討(昨年度に開発した教材を用いて) 「メダカと洗剤」(水質汚染)、「空気中のO_2はどこからきたのか」(森林破壊)、「ごみのゆくへ」(ゴミ問題)の教材を用いて、環境問題に対する視野を国際的に拡げていく上で、どのような学習指導が有効であるかを検討した。検討の方法としては、とくにフィリピンにおいて実践を試みた。日本と同じ教材を用いて同じ学年で授業を行った。この実践をとおして、日本の実践にとって参考になるような学習指導の在り方を抽出した。その結果、効果のある学習指導法として、次の4点が明らかになった。(1)視覚的に訴える教材を用いること、(2)生徒による作品づくりを取り入れること、(3)話し合いの活動を取り入れること、(4)身近な環境問題を取り上げること。 2.新しい教材の開発 大気汚染を題材とする「自動車の排気ガスが植物に与える影響」という教材を開発した。教材を用いて授業を行った結果、生徒は、車の排気ガスが植物の生長や発芽に悪影響を及ぼすこと、大気汚染の原因が身近にあることを認識していた。しかし、国際的な視野から大気汚染の問題を捉えることはできていなかった。このことから、教材内容の一部を改良する必要があることがわかった。 次年度の課題は、教材内容の改良、教材を用いた授業実践、及び効果的な学習指導法の明確化を行い、そして最終的に、国際的視点に立った環境教育教材の範例をいくつか提示することである、
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