研究概要 |
本研究は,広域ネットワークシステムを用いた教材の着想や学習支援の諸機能を調査・整理し,それによる学習の効果を明らかにすることを目的とする。本初年度は,国内・外の教材(インターネット教材と言う)を収集し,指導者による調査と評価を行うことを目的とする。 1.教材の抽出: 日米の多数のウェブサイトを巡回し,その中のシミュレーション型教材に対象を絞り,日本のカリキュラムへの適用も念頭に置いて抽出を行った。その結果,約40件を抽出した。 2.教材の調査: 教材の概要,構成,展開の方略,対象学年,教科,学習形態,着想面の特徴,教育面の特徴,ネットワーク活用上の特徴,内容の展開技法の特徴,マルチメディアの効果,含まれる教授様式等の学習指導支援機能に関する調査表を作成した。そして,複数の現職教員並びに指導主事を対象に,上述1で抽出したインターネット教材を試用させ,調査を行った。 3.教材の評価: 概括的な内容,教育的な価値,提示上の技術的な品質,ネットワークの技術的な品質,信頼性,学習様式,効果等について評定尺度を用いた評価表を作成し,評価を実施した。 この結果を概括すると,(1)Shockwave,Flash,Quick Time,VRML,IPIX,Real Player等のプラグインを駆使し,これまでスタンドアロンの教育用ソフトウェアで提供されていたシミュレーションやインタラクティブな環境を実現していること,(2)共同作業や作業結果の公開,他のサイトの参照などでネットワークの通信機能が用いられていること,(3)海外のサイトでは,設定したテーマに関する広範な内容を系統的に提示しているのに対して,日本では範囲が狭いことが多い等が分かった。
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