研究概要 |
本研究は,広域ネットワークシステムを用いた教材の着想や学習支援の諸機能を調査・整理し,それによる学習の効果を明らかにすることを目的とする。本年度(2年目)は,次の研究を実施した。 1.広域ネットワークシステムを組み込んで開発した国内・外の教材(以下,インターネット教材と言う)を収集・調査し;その着想を抽出・整理した。具体的には,ネットワーク教材の内容,構成,教育的特徴,ネットワーク活用上の特徴,展開方法の特徴,マルチメディアの効果,含まれる教授・制御様式,学習指導支援機能に関する特徴などを抽出・整理した。その内から特徴的な39件について,下記にとりまとめた。 石川賢:Webページ教材の調査(資料1,調査者用),宇都宮大学教育学部,2000年3月,pp.1-132 2.それらのWebページ教材を教師や指導主事を対象に試用させ,概括的な内容,教育的な価値,技術的な品質,信頼性,学習様式,期待できる効果等について評価した。 その結果,総合評価が良好なサイトは,内容が妥当,正確,適切なこと,学習者主体の制御ができること,内容が簡潔で分かりやすいこと,学習効果が期待できネットワーク環境で実施する必然性があることなどの評価結果を得た。これらの知見を,下記にとりまとめて発表した。 石川賢,他:教師によるWebページ教材の調査と試用,教育工学関連学協会連合第6回全国大会講演論文集,2000年10月,pp.513-514 3.これらの調査・評価結果を念頭に置いて,社会,理科,進路指導などについて,鹿沼市の地域教材"鹿沼市の屋台",足利の地域教材"足利学校",中学校理科"自然と人間"における地域の災害,栃木県の高等学校検索とその学習支援などのWebページ教材の開発に着手した。 今後,情報技術に関するWebページ教材の開発にも着手するとともに,それらを実際に小・中学校の学習指導に適用した実験授業を実施し,評価を行いたい。
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