研究概要 |
本研究は,広域ネットワークシステムを用いた教材の着想や学習支援の諸機能を調査・整理し,それによる学習の効果を明らかにすることを目的とする。本年度(3年目)は,次の研究を実施した。 1.教材を利用した学習者の意識の分析:シミュレーション型教材を学習指導に適用した実験授業を実施し,授業後の意識調査の結果から,学習者の理解の支援に有用な教材の機能を分析した。その結果,学習の効果を向上させる要因として,シミュレーション環境の提供とともに,学習者自身の操作,操作の誤りの指摘等の機能を具備することが重要である等の知見が得られた。これらを,石川,他:"シミュレーション型教材を利用した学習者の意識について",日本教育工学会第17回大会講演論文集,17,2001年に報告した。 2.インターネット教材の機能の類別とその学習効果の分析:調査したネットワーク教材の諸機能を,学習情報の参照・実行,交換・公開,コミュニケーション,その他の機能に類別・整理した。それらを実験授業に適用し,評価結果から各機能の学習指導の効果を明らかにした。これを鍋谷,石川,他:"ネットワークの機能を利用した学習指導の改善",宇都宮大学教育学部教育実践総合センター紀要,24,2001年に報告した。 3.調査結果を念頭に置いたインターネット教材の開発:これまでの調査結果を念頭に置き,インターネット教材の開発作業を行った。開発教材は,学校教育での学習指導を支援するための教材とし,シミュレーションやネットワークの機能を活用した教材を開発した。具体的には,情報技術,理科や社会科の地域教材,進路指導支援教材等である。これらの内,情報技術に関する教材とその評価結果から得られた知見について,川島,石川:"ルータによる経路選択の学習指導用教材の開発と評価",日本産業技術教育学会誌,43-1,2001年に報告した。
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