研究課題/領域番号 |
11680211
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
松田 稔樹 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 助教授 (60173845)
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研究分担者 |
野村 泰朗 埼玉大学, 教育学部, 講師 (30312911)
波多野 和彦 メディア教育開発センター, 研究開発部, 助教授 (50198751)
中川 正宣 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 教授 (40155685)
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キーワード | 教師教育 / 授業研究 / 授業設計 / システム開発 / 授業評価 / 授業設計訓練システム / 教授活動モデル / 教材研究 |
研究概要 |
今年度は、(1)次元分け機能の拡張、(2)教材分析結果を指導案作成で活用する機能の実現と両者を関連づけた評価機能の実装、(3)指導案が授業展開スクリプトにそっているかどうかの評価機能の実装、(4)誤り・つまづきへの対応や時間の過不足に対応するための代替案記述機能の実装、(5)指導計画が授業時間内に終了するかどうかの評価機能の実装を行い、その訓練効果を検証した。 (1)は、次元分けの作業で予測した誤り・つまずきに、代替教材を対応づける機能を追加し、また、類題をまとめて次元分けすることで、不適切次元への対応を実現した。(2)は、教材管理用の教材Binderを実装し、教材分析機能を教材Binderのサブ機能として実現した。指導案に参照できる教材を、教材分析済みのものに制限することで、両者の連携を図った。さらに、(4)によって、誤り・つまずきに対応した複数展開が記述可能となった。代替案記述としては、時間の過不足への対応も可能とするため、授業展開スクリプトから複数展開を選択できるようにした。この時、作業負担を増やさないよう、異なる展開でも共通の分節を含む場合には、教授行動列の記述は1回で済むようにした。(3)の評価機能としては、授業展開スクリプトに沿い、かつ、分節に含まれる教授行動が適切かどうかを評価する機能を実装した。(5)は、教育実習授業のビデオ記録から、教授行動ごとの平均時間、授業内に行なわれる主な行動の回数を抽出し、いくつかの予測方法を比較した。その結果、説明と黒板による提示について、教材の種類ごとの時間データを用い、平均時間の累計を計算することで、分節単位の時間予測に関する最も良い予測が可能になった。 開発したシステムを実際に利用させる実験を行った結果、一連の作業の最初と最後に(2)と(3)の評価機能で提示された助言数は、有意に減少した。また、システムの予測時間とベテラン教師の予測時間との間には、0.92の強い相関が得られた。
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