総合的学習に先進的に取り組んでいる学校(京都市立御所南小学校、大阪市立西淡路小学校、上越教育大学附属小学校、小松島市立南小松島小学校、八女市立川崎小学校、鳴門教育大学附属中学校、大阪教育大学附属池田中学校、香川県寒川町立天王中学校等)への訪問調査と共同開発研究を行った。 主体的・協同的な学習スキルに関しては、国内外の理論的・実践的研究および文化人類学等の諸科学の研究方法に関する文献、ビジネス書、研究先進校の訪問調査・授業参観を通して、その抽出・整理と育成方法の検討を進めている。 一方で、抽出された学習スキル育成のための具体的な単元の設計、実施、評価を共同研究校の教師と行った。具体的な学習スキル活用場面が組み込まれた授業の記録と分析、子どものワークシートの分析を通して、学習スキルの体系化、学習スキル育成方法の評価・改善を行った。付箋紙とKJ法による体験からの問題整理、ウェッビング法による問題解決過程の客観化、アドバイスカードによる相互評価・自己評価、ポートフォリオ法による学習の記録と振り返りなどが小・中学校を問わずに有効に活用されている。プレゼンテーションスキルおよび問題発見・解決スキルに関しては測定尺度項目の作成を進めている。 研究途上において、次の2つの点が明らかになってきた。一つは、スキルの体系化と具体的な学習場面でのスキル活用を意識したカリキュラム開発の必要性である。一つは、子どもたちの主体的かつ協同的な学習を支援するための学習環境整備の必要性である。
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