研究概要 |
平成11年度の研究は,以下の基礎的な部分を行った. 1.情報ミスコンセプションの実態把握のための研究 高等学校教科「情報」の内容の分析を行い,その中でミスコンセプションの起こりやすい個所について検討を行った.とくに,「情報A」(情報の活用)に焦点をあてたディジタルコミュニケーション指導において学習者がミスコンセプションを起こすであろうことについて,高等学校教諭らから調査を行った.とくにこれまでの理科や数学を意識した情報の科学的な理解に伴う誤りだけでなく,情報の整理において階層構造を理解していないことによる誤りや電子メール価値についての誤りなどについても検討を行った.さらにその知見をもとにディジタルコミュニケーションの学習書を作成し,次年度想定しているミスコンセプションの有無について調査を進める準備を行った. 2.情報教育におけるマルチメディア教材の有効性に関する研究 マルチメディアを用いた教材の例として,音に関する教材を作成した.本教材は,物理学を学んでいない生徒に音に関するミスコンセプションというよりも欠如から音の情報処理技術を理解させるものである.教科としては「情報C」の情報表現の内容である. 3.インターネットを用いた上記の支援に関する研究 1に述べた多くの実践を収集するため,作成した学習書にリンクしたWebページを作成中である.また,2に述べたマルチメディア教材の配信について,学内LANにおいて実験を行い,その教育結果を報告し,私立大学情報教育協会より表彰された.次年度は,1とリンクしてインターネットでの配信も試みる予定である.
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