本研究は僻地の小学校間の協同的な学習を支援するネットワークシステム(協同学習を支援するWEBの開発、人的な支援体制の運営の開発)に関する基礎的な研究である。初年度としては、コンピュータやネットワークが導入され日が浅い青森県と鳥取県の僻地校と、コンピュータやインターネットを日頃の学習活動に活用している島根県の僻地校と東京都の小規模校を研究協力校として、フィールドワークを行った。また、共感的理解者グループとして、大東文化大学刈宿ゼミ、学習環境デザイン研究工房が参加した。 本研究の初年度として、次の3点の研究実績を報告できる。 1.インターネットを介した協同学習を実践している小規模校(僻地校として島根県高田小学校と都心の過疎の東京都神応小学校)の学習共同体づくりに、共感的理解者として大学生がコーディネーターやメディエーターとして、機能することが可能であることがメールボランティアの活動や学習履歴のWEB化を通して明らかにすることができた。 2.1の実践や、僻地校(青森県有戸小学校と鳥取県大山小学校赤松分校)どうしの交流の推進役として情報コーディネーターボランティアが当該学校の教員との協力体制を作り、授業実践に活かしていくための手段・方法をネットワーク上で交換できるようになり、実際に学校訪問した際にも、授業に参加できるなど、学校支援の一つの方向性を見いだすことができた。 3.僻地校である島根県高田小学校に情報コーディネーターや大学生ボランティアなどが一週間にわたり訪問し、授業支援を行った。この活動を通して児童とのコミュニケーションとの深まりがその後のメール等の中に反映されてきたことから、情報コーディネーターやメールボランティアの授業支援の方向性が分かった。
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