3年間の研究で特に成果が見られたものを以下に列挙する。 ・DPマッチング、隠れマルコフモデル及びニューラルネットワークを用いた子音認識機の誤る性質が異なることを利用したハイブリッド型の評価基準を持つ認識ソフトウェアを開発した。これにより、子音の認識率を従来より向上させることができた。 ・Open GLライブラリを用いてゲーム感覚で訓練できる3D版の発話訓練ソフトウェアを開発した。子供達が積極的に訓練を行うようにゲーム性と知育性(思考型、記憶型、等)の要素を組み込んである。タイトルとしては、クレー射撃・隕石回避等のシューティングゲームや花火をイメージしたファンタジックゲーム等がある。 ・インターネット通信教育システムに、(1)訓練結果を記録するデータ管理機能、(2)蓄積された訓練結果がインターネットを介してサーバに蓄積される通信機能、(3)サーバに蓄積された訓練結果に基づいて訓練のアドバイスを行うレポート機能を付加した。 ・音声合成ライブラリとコホーネン型ニューラルネットワークにより生成した画像を用いることで、複雑なルール設定を必要とせず、小規模データベースで構築できる読話(リップリーディング)訓練ソフトウェアを開発した。これによりビデオ映像に近い合成画像を生成できるため、児童が単独で自宅でも読話の訓練が可能となった。 ・本研究で開発したソフトウェアセットはCD-ROMにて無償配布しており、愛知県下の聾学校を始めとする約60の関係機関で既に使用されている。特に千種聾学校と岡崎聾学校には積極的に協力していただいた。
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