学校不適応の子どもの増加に伴い、保健室の役割がクローズアップされ、養護教諭の役割が重要になってきたが、養護教諭は通常各学校に一人しか配置されていないため、養護教諭同士の連携の場は限られている。こうした現状をふまえ、本研究では、ネットワークを介して、養護教諭が連携できる場を提供するシステムを開発しようした。平成11年度からの継続研究によりシステムは改良を重ねてきたが、最終年度である平成13年度は、養護教諭が学校や家庭での自分を見つめ直すことによって、リフレッシュを行おうとする自己理解システムを中心として改良を行った。試用の結果は、これまでの紙の「自己理解調査票」に比べて、(1)採点が自動化されているのがよい、(2)結果のチャートが見やすい、(3)過去の結果と比較できる点がよい、など肯定的な意見が多かった。また、現在メールシステムによって、情報のやりとりをはかり、養護教諭の連携をとるようになっているが、さらに、必要な情報が、折々に自動配信されるシステムを望んでいる養護教諭が多いことがわかった。これまで、システムは、養護教諭の横のつながりを促進する目的を重視していたが、総合的な情報の発着信のシステムとして考えられるならば、なお効果的な使用効果が期待できよう。ただ、ニュースの自動配信ということになると、どのようなニュースをどのような範囲に配信するかの決定、すなわち養護教諭のカテゴライズも必要となる。そうしたことも含めて、今後養護教諭のための統合的なシステムの開発を目指していきたい。
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