99年度研究活動は概ね研究環境の整備と資料の収集等、研究の準備に充てられた。即ち、視覚障害補償ソフト試験用パソコンのハードウェアとソフトウェア両面の整備、デジタル録音(DAISY)の録音資料の収集、及び、視覚障害者教育関連資料の収集を行う傍ら、視覚障害を有する研究分担者のパソコンを利用した作業環境の整備に努めた。また、研究代表者は日常の重度視覚障害者に対する情報処理教育の実践の中から視覚障害学生の数学力に関して種々の疑問を感じたため、本学視覚部情報処理学科学生の基礎的数学力の調査を実施し、視覚障害との関連に於いて考察を試みた。検討の結果、少数の資料を基に推測を逞しくすることは慎むべきと判断したが、調査結果は大学生の学力低下が全国的に憂慮される中で、障害者の高等教育に関する注目すべき資料となるものである。
|