研究概要 |
まず,カオスについて,(1)回転状カオス,網目状カオス,円環状カオス,強制系カオスなどのような面積保存型,および(2)面積変化型円環状カオス,(3)翼状カオス,(4)チョーサとゴルビッキーの対称型カオスなどの関数形式描画プログラムを開発した.次に,前年度に開発した各種変換プログラム,すなわち,拡大・縮小・回転変換,せん断変換,上下・左右対称変換,三角変換,波形変換などのプログラムを上記のカオスプログラムに組み込み,それが有効的に動作することを確認した.同様に,フラクタルについても,コッホ曲線,シェルピンスキー曲線,ジュリア集合などの描画プログラムに上記の変換プログラムを組み込んだ.また,ベクトル画像として生成される抽象模様をビットマップ画像に変換するアルゴリズムをカオス・フラクタル画像生成プログラムに組み込んだ. 次に,開発したシステムを基に生成した抽象模様パターンを各種デザイン業務に適用する応用実験を行った.ここでは,ボールペンの絵柄,ペットボトルのラベル,包装紙,ティッシュペーパー箱の絵柄,風呂場の大理石風壁模様,乗用車や飛行機のイスカバーのデザイン,化粧品ケース,ダイニングセット,CDジャケットの絵柄,金属製コースター,金属製ブックマークなどへ適用し,その有効性を確認した. 本研究で開発した「複雑系手法を用いたパターン生成システム」の特徴は,人間の手作業では表現できない抽象模様を瞬時に生成でき,しかも実行する度に色や形が微妙に異なるパターンを無限に生成できることである.今後は,このシステムを芸術・デザイン系高専での授業の中で活用していきたいと考えている.
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