研究概要 |
1.北欧圏およびイギリスにおける遠隔、コンソーシアム等で提供される女性学・ジェンダー教育のコースの収集・分析を行った。 2.SCS活用によるジェンダー関連授業の実際例として,5つのキャンパスを有する北海道教育大学が複数キャンパス間をISDNによるテレビ会議システムを使って行う授業を素材に、コース提供の方法と問題低について学生へのアンケート及びインタビュー、教員へのインタビュー等を基に検討した。通常の教室での授業に比べて、テレビ会議システムは他キャンパスの教員や学生とのディスカッションを可能にする点が学生にとって大きなメリットであること、一方ではそのためには、「他キャンパスの学生との交流」を可能にするような授業展開の工夫、スキルが教員側にもとめられていること、両キャンパスの学生が臨場感をもって授業に臨めるようなメディア環境整備が必要なこと等が明らかになった。 3.これらの状況を踏まえて、ルンド大学(スエーデン)、クイーンズ大学、アルスター大学(以上北アイルランド)、アイルランド遠隔教育センター、ダブリン・シティー・ユニバーシティーを訪問し、テレビ会議システムの活用の実際と活用促進のためのトレーニングの内容と方法について、及び遠隔、コンソーシアムで行う女性学・ジェンダー教育の実際例について意見交換を行った。 4.遠隔地にいる学生へのデリバリーの方法として、北アイルランドではISDNによるテレビ会議システムが重用され、日常的に活用されているが、さらに学生の居住地が拡散しているスエーデンやアイルランドでは、自宅にいて利用できる方法が重視されテレビ会議システムの活用はそのコストと画質の問題等から低調である。 5.北アイルランドの2大学の経験では、活用促進のためのトレーニングは教員のニーズに対応した個別指導型,ヘルプデスク型が効果的ということであった。
|