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1999 年度 実績報告書

社会科教育における構成的アプローチに基づく授業方略の研究

研究課題

研究課題/領域番号 11680256
研究機関福井大学

研究代表者

寺尾 健夫  福井大学, 教育地域科学部, 助教授 (70217412)

キーワード構成主義 / 社会科教育 / 歴史教育 / 認知 / 授業 / 学習
研究概要

本年度は,社会科教育における構成主義的アプローチに基づく授業方略の研究として,米国および英国で発行されている構成主義的な社会科教育,歴史教育の学習指導論および教育方法に関する英文文献,認知科学,認知心理学,哲学(認識論)に関する邦文文献を基にして,構成主義的な社会科学習指導を基礎づけている認知論,および学習段階論,教授-学習過程の原理を批判的に検討し,構成主義的アプローチに基づく社会科学習指導論(教授-学習論)を明らかにした。
英文文献および邦文文献を収集して検討した結果,社会科教育において構成主義的アプローチに基づく教授-学習論が最も進んでいるのは米国であることが明らかになった。また、社会科教育研究の中でも,教授-学習の理論的,実践的研究と共に,認識論や認知科学,認知心理学の知見をも含めて研究が展開しているのは,歴史教育の領域における研究であることが明らかとなった。
歴史教育における構成主義的アプローチに基づく教授-学習論,歴史認識論,学習構成論を本研究では構成主義歴史教育論と呼ぶことにして,歴史教育に焦点を当て研究を進めた。その結果,構成主義歴史教育の認知論の研究を進めているのは米国ワシントン大学のWineburg,S.Sであり,彼の研究によれば,歴史認知論はテクストの読解における認知過程の特性分析に基づいた認知モデルとしてまとめられることがわかった。また,構成主義歴史教育のカリキュラム論,学習構成論の研究を進めているのは米国の教師カリキュラム協会(TCI)が開発している中・高等学校レベルの歴史教育カリキュラム『History Alive!』であり,このカリキュラムでは3つの教授原理と8つの教授方略をカリキュラムの構成原理としていることが明らかとなった。
上記のような米国における構成主義的アプローチに基づく社会科(歴史教育論)教授-学習論の研究からは,次年度に研究を予定している構成主義的アプローチにおける社会科授業開発の基礎になる理論が得られた。
本年度の研究成果の一部は,全国社会科教育学会第48回全国研究大会(平成11年10月23日,島根大学)での研究発表(発表題目「構成主義歴史教育の認知論」),および社会系教科教育学会第11回研究発表大会(平成12年2月13日,兵庫教育大学)での研究発表(発表題目「構成主義歴史教育の学習構成論」)として公開している。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 寺尾健夫: 指導と評価. 第45巻 537号. 42-45 (1999)

  • [文献書誌] 寺尾健夫: 全国社会科教育学会第48回全国研究大会発表要旨集録. 48. 43 (1999)

  • [文献書誌] 寺尾健夫: 指導と評価. 第46巻 541号. 34-37 (2000)

  • [文献書誌] 寺尾健夫: 社会系教科教育学会第11回研究発表大会発表要旨集録. 11. 34-35 (2000)

  • [文献書誌] 村野井均,他(編): "学校と地域で育てるメディアリテラシー"ナカニシヤ出版. 163 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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