当科研費(基盤研究(C)(2)、「第2言語習得における学習開始年齢と長期的到達度に関する実証的研究」)の採用通知を、平成11年10月末に頂いたこともあり、本年度中に実施できた内容は実験問題の作成と被験者を集めることの2点であり、何らかの実験は施行することはできなかった。ただ、本科研費は4年間継続のものであり、平成12年度以降は十分な研究成果を公表することができると考えている。 実験問題作成であるが、まず、どのような項目を調査するかということを検討した。その結果、被験者の発話資料を収集することの他に、まずもって、句構造規則、機能範疇、束縛理論、数量詞遊離の4項目に関する実験問題を作成することに決め、一応の完成を見た。これらの実験問題を使用して、最初に予備実験をおこないたい。被験者は日本(静岡県)に滞在し、筆者の研究に理解を示してくれた外国人の方々を数名確保できた。平成12年度はこれらの被験者を対象に、第2言語の学習開始年齢が長期的到達度にどのように影響を及ぼすか、そして、習得困難な項目を明らかにしていきたい。
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