研究概要 |
平成11年度の研究計画は以下のとおりであった。 (1)平成11年4月〜9月 (1)国立国会図書館憲政資料室所蔵のGHQ/SCAP文書中のCIE文書およびCAS文書 (マクロフィシュ)等を調査し,ハードコピー化して,高校家庭科教育の地方における定着過程を知ることのできる資料を見出す。 (2)(1)の資料から,高校家庭科教育の地方における定着の実態をまとめる。 (2)平成11年10月〜12月 (1)当時,文部省指定高校家庭科実験学校であった高等学校と連絡を取り,占領期の家庭科教育資料の有無や家庭科教師の消息を尋ねる。 (2)当時の家庭科指導主事と連格を取り,聞き取り調査に応じてくれるか否か,また,家庭科教育資料を保持しているか否かを確かめる。 (3)各地の公文書館に,占領期の家庭科教育資料を保存していないかどうか間い合わせる。 (4)(1)〜(3)に基づいて,実地調査を行う。 これらの事項のうち,[(2)-(2)]を除いて,すべて達成できた。すなわち,鹿児島県指導主事小山田春子氏と緊密に連絡を取り,氏から,当時の研修ノート等の第一次資料を提供してもらった。その結果,広島大学教育学部研究紀要に,「占領下の日本における家庭科教育の成立と展開(IX)-小山田春子氏の研修活動」として発表することができた。また,徳島県立脇町高等学校を対象とした資料調査から,当時の教務日誌の記述に家庭科関係が多く存在することを発見した。この教務日誌の記述内容と徳島県立図書館所蔵の家庭科関係郷土資料を基調にし,さらに元徳島県家庭科教師数人の証言を得て,「占領下の日本における家庭科教育の成立と展開(X)-徳島県にみる高等学校家庭科の定着過程」を中国四国教育学会の研究紀要に発表することができた。
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