本研究は、キャンプクラフトにおける子供の創造能力育成の為のプログラムと、遊び媒体の開発という2つの研究目的を持ち、それぞれの成果を相互に関係づけるスタンスで研究を進めている。今年度は、主として日米のチルドレンズミュージアムの調査等による、不特定多数の参加者で短時間で完結するワークショップのあり方の検討と、イマジナリウムの市販玩具調査等を通した、子どもの玩具の今後のあり方の検討を行った。また、キャンプクラフトを含めて合計4種類の、コンセプトの異なるワークショップを計画し、それらに向けて、自然素材を主に用いた「飛ばして遊ぶ遊び道具」づくりプログラムを開発・展開した。ワークショップ実践終了後のアンケート調査等を通して、創造能力育成の為の遊び道具づくりプログラム開発について次の留意事項を明らかにした。1.参加者の製作意欲を引き出すために、ワークショップの特色や、設定場所に応じた材料を生かす、魅力的なテーマ内容が必要である。2.初めての参加者でも道具使用の基礎技術を習得できるプログラム展開が必要である。3.参加者がテーマの作例にとらわれない自由な発想を展開できるプログラム展開の配慮が必要である。 研究目的の後者である、遊び媒体の開発については、今までに製作した玩具の画像整理を終え、CD-ROM用のデータを完成させた。また、展覧会(デザインプロフィール展CCDO10YEARS、千種台コミュニティー美術館プロジェクト〜学校が美術館・2〜、あそびのこころ展、アジア民族造形学会・大会展示発表、第32回欅美術展、中部デザイン協会創立50周年記念展50・会員作品展)において、遊び媒体作品を出品展示した。
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