目的:これまでの科研研究では、「Plainペア・グループ・ティーチング(以下PlainPGT)」と呼ばれる日本の大学における実践的なコミュニカティブ教授法を発展させてきた。現在の研究では、これまでの研究成果を基に、日本の大学において、コミュニカティブ教授法の広範囲の使用に結びつく、第一・第二言語学習の理解のための論理的根拠を提供する。 結果概要:4年に渡る研究の最終年度において、次のことを行った:(1)新しい学習理論の観点から教室管理の分析、(2)自然学習教室における教師の役割の考察、(3)大学教師教育への新しいアプローチの開発に本研究結果の適応、(4)PlainPGT教授法の修正、(5)海外の研究者への本研究結果の報告及び教師教育の代替的アプローチの新しい方法論の考察。 結果詳細:最終年度において以下のことを行った; (1)第一言語習得時に大抵認められるような大人の効率的学習技術の持続性を認識する「参与パラダイム」に基づく新学習理論開発の完成。 (2)どの年代にも対応する学習の場では一般的となる自然学習に不可欠な要素の説明。 (3)自主的学習を優位にし、また創造性と洞察力を高めるため授業を最大限に生かすPlainPGTの再考察。 (4)教室内の教師による力の行使を最小化し、また学習は従来の学術的パラダイムに従わなければならないとする見込みを減ずる方法の再考察。 (5)伝統的な講義形式の大学教育システムと、相互作用的学習者主体教授法の比較、および第一言語の講義へコミュニカティブな要素を持ち込むPlainPGTの修正版の開発。 (6)大学における教師教育とカリキュラム改変への新しい方法を提供するため、大学教員の使用にむけたPlainPGT法の適応。 (7)英国、シンガポール、豪州の大学での研究結果の報告と、セミナー・共同研究を通した主要間題への解決策の探究。
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