わが国の大学英語教育におけるプレイスメント・テスト実施に関する質問紙調査を行い、現状と問題点を把握することが、今年度の研究の主たる課題であったが、以下の要領で調査研究を行った。 4月〜9月 調査用質問紙の作成、サンプルの取り方についての検討 10月中旬 質問紙の発送作業 10月下旬〜12月 質問紙の回収 1月〜 調査結果の分析 調査対象については、当初、割当法により全国の短期大学及び4年制大学の国公私立の割合に合わせて標本抽出を行い、質問紙を送付する予定であったが、限られたデータから母集団の特性を推定するわけであるから、回収率による問題を予測し、条件をある程度整える意図で、調査対象を4年制大学のみに変更し、合計617校(国立95校、公立66校、私立456校)に質問紙を送付した。 調査内容については、プレイスメント・テストのみに的を絞るのではなく、「統一的に実施している英語テスト」まで範囲を広げ、その有無や必要性に関する質問項目、さらにテスト結果のフィードバックや結果の利用法、テストのあり方についての意見や現状をたずねる項目を含めた。 1月末の時点で、質問紙の回収率は32.3%(199校)であり、その内の48.2%(96校)が統一的な英語テストを実施している。プレイスメント・テストを含めた統一的なテストを実施している所や将来、実施計画を持つ大学が多いことが観察された。現在、学校種や分野別の実施状況の違いや、利用しているテストに関する分析を行っているが、独自に開発したテストを用いている機関が予想以上に多く、次年度の課題のひとつとして、そのような機関から開発方法等の情報を提供してもらい、アイテム・バンクの構築のための助言を得たい。
|