1.1999年度 (1)研究環境の整備:研究に用いる音声認識ソフトはIBM社のViaVoiceとした。基礎的な認識訓練の後、前年度の講義プリントデータを読み込み語彙を拡張するなど、認識率向上を図った。語彙拡張は特定の対象科目に絞って実行するのが認識率向上に有効であるとの結論を得た。 (2)講義場面における検証・評価:ヘッドホン型マイクは学生が口形を読み取るのには問題がないが、講師が手話を使うのにやや問題があること、コードレスマイクが望ましいことなどの結論を得た。 (3)誤認識への対応:漢字の誤表示は学生に与えるダメージが大きい。「かな表示」にすることで、漢字の誤表示による不利益を解消した。しかし、多量の情報を伝えるときには「かな」だけの表示には限界がある。 2.2000年度 (1)研究協力者:検証の場を学外にも設定し、聾学校幼稚部・高等部所属の協力者から、有益な情報を得た。 (2)個別指導場面における検証・評価:講義時間外の個別指導場面では誤認識の訂正も負担が少なく、筆談に比べ、かなり有効に使えることがわかった。 (3)海外の動向に関する資料収集・分析:オーストラリアの聾学校での使用報告などの情報を分析した。複数の音声認識ソフトの比較検証の重要性が示唆された。
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