研究課題
基盤研究(C)
平成11(1999)年から3年間、「コンピュータをとり入れた幼児カリキュラムの開発と実践」を研究した。1年度はコンピュータをとり入れて幼児教育を実践する幼稚園を公募し、兵庫県揖保郡揖保川町立半田幼稚園を研究実践園として選択し、該当園に最適なコンピュータ及び周辺機器ならびに、園児達がコンピュータを操作する様子を記録する装置を保育室に設置しプリテストを実施した。2年度はカリキュラムに基づいたソフトウェアを作成し、3年度はカリキュラムの改善を行い、ソフトウェアを修正し更に作成した。研究内容については、平成13年5月29日に読売テレビの「ニューススクランブル」で放映され、また、平成13年10月31日に神戸新聞にも『園児ら野外遊びにも効果「パソコン使いやる気育成」』として報道された。また、平成13年10月31日に揖保川町立半田幼稚園において、『子どもの主体的な遊びの創造をめざして-コンピュータの有効な活用を中心に-』のテーマのもとに研究発表会を開催し、シンポジウム・公開保育を実施した。これらの実践研究を通し、該当幼稚園の保育内容と発達段階ならびに地域特性等に適合したカリキュラムを作成し、そのカリキュラムに園独自で開発したソフトウェアを効果的に組み込むことによって、幼児の活動を効果的に高められることが確かめられた。その効果の中でも、特に幼児の持つバーチャルとリアリティとのインターラクションの中で、幼児の活動面に顕著な高まりが見られた。幼児教育におけるコンピュータ利用が幼児の心身の発達にどのように影響するか、並びに、コンピュータ利用について親和性の高い幼児とは、どんな特性をもっているかを、(1)個別の発達状況のチェック(記憶、視覚認知、言語理解等)及び、(2)担任による心身の状況及び園内での行動評定(30項目の5段階SD法による独自に作成したチェックリスト)、(3)VTRによる自由保育時間でのコンピュータ利用状況等についての観察(コンピュータ使用時間、接近頻度等を指標として行動解析を行った)を実施した。
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