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1999 年度 実績報告書

吃音の慢性化と喉頭調節との関連性に関する検討-幼児期から学齢期について-

研究課題

研究課題/領域番号 11680295
研究機関広島県立保健福祉短期大学

研究代表者

山崎 和子  広島県立保健福祉短期大学, 言語聴覚療法学科, 助手 (30280209)

キーワード吃音 / 慢性化 / oral diado chokinesis検査 / electro glotto graphy / 声門閉鎖率 / 声帯振動の安定性
研究概要

吃音児(4歳11ヶ月〜12歳1ヶ月)7名を対象に、oral diado chokinesis検査(/pa//ta//ka/の各音節を5秒間なるべく速く繰り返す)を実施し、その時の声帯振動をElectro glotto graphyを用いて測定した。対象児の検査時の吃頻度は0/100〜24/100であった。喉頭調節については、5秒間の声門閉鎖率の標準偏差を平均で割って変動係数とし、これを声帯振動の安定性の指標とした。すなわち高い変動係数は声帯振動の不安定性を示し、低い変動係数は安定した声帯振動を示すと考えた。対照群として非吃音児(4歳〜14歳)62名を対象に同様の測定を行った。
その結果、非吃音児に比べ吃音児においては、声門閉鎖率の変動係数が高い症例が認められた。10歳の症例は/pa//ta//ka/いずれの音節においても、非吃音児の平均±1SDを大きく上回っており、吃症状が軽減してきている11歳の症例は低い変動係数を示した。このことから、吃症状の重症度と声帯振動の不安定さとの関連が示唆された。一方吃症状が慢性化した高学年の症例だけでなく5歳6歳の幼児期の吃音児においても非吃音児の平均±1SDを上回る値を示す症例が認められた。このことは、吃音児には発吃後間もない時期にも声帯振動の不安定さを示す症例があることを示している。しかしながら、非吃音児の結果からも声帯振動の安定性は個人差が大きいことが窺われたこと、oral diado chokinesis検査という限定された発話条件での結果であること、また幼児の場合、測定条件にばらつきが出やすいことなどが今後の課題となり、次年度以降さらに検証が必要である。

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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