初年度の研究結果に基づいて、2年目の平成12年度は以下のように研究を進めた。 1.日本語自発的会話音声のデジタルファイル化 2.デジタル化資料を利用した日本人による韻律の聴覚的判断実験とその分析 3.デジタル化資料の音響的分析 4.発話スタイルと長母音の短縮の関係に関する分析 本研究の成果として長母音の短縮が発話のスタイルと語中位置と有意な関係にあることが明らかになりつつある。また、[重音節+重音節]という音節構造が[重音節+軽音節]に変化する現象が明らかになったが、これは日本語の韻律構造のプロトタイプに関する理論に一致する現象であることが分かった。 2年目においては代表者が台湾東呉大学における国際シンポジウムで本研究の成果の発表を行い、同国の音声研究者と討議を行った。また、代表者執筆の音声教育に関する論文が『音声研究』第5巻1号に採択された。
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