昨年度の研究では『日本語教材リスト』の閲覧ページ・検索ページ(http://www.is.hse.tut.ac.jp/bon/)と検索利用記録分析システムを作成した。本年度は検索利用記録を分析し、以下の結果を得た。 1.検索条件として有効なのは、学習者のレベル、使用言語である。 2.使用言語、内容などの検索がヒットしない原因の1つは、検索条件を自由に書き込める方式にしたことに求められる。検索条件とデータの間で、文字や言語が一致しない場合が生じる。たとえば使用言語で"German"や「独語」と入力して検索しても、データの「ドイツ語」は得られない。検索ページを選択式に変更する必要がある。内容については、「日本語で入力してください」というようなメッセージを表示すれば、少なくとも"grammar" "bunpou"という入力は回避できる。 3.ヒットしない今一つの原因は、元のデータ(凡人社作成『日本語教材リスト』)に学習者のレベルが33%、使用言語が20%しか登録されていないためである。凡人社の改善が望まれる。 以上については、日本語教育連絡会議(7月29〜30日 ウィーン大学主催)で口頭発表した。近日中に論文が印刷される予定である。 来年度は、検索者の属性とキーワードとの相関を解明したい。
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