研究概要 |
本研究は、我々が平成10(1998)年度に作成を進めていた「『日本語教材リスト』の検索ページ」をインターネット上に公開し、検索に用いられるキーワードの記録を分析することによって、妥当なキーワードを選定することを目的としたものである。 平成11(1999)年5月に『日本語教材リスト』をウェブ上に公開し、研究発表やML(メーリングリスト)、ウェブサイトのリンクを通じて広く国内外に利用を求めたところ、平成13(2001)年10月までの間に合計136,107件のアクセス(閲覧サービスの利用133,026件、検索サービスの利用3,081件)があった。検索記録3,081件を分析した結果、重要な検索項目は「学習者のレペル」「タイトル」「内容」「使用言語」であり、キーワードは「会話」であることが明らかになった。この結果を吟味すると、キーワードについては偶然選ばれた可能性が高い。「会話」の他に「文法」「聴解」「作文」「読解」など科目に相当する語で検索されていても不思議ではないにも関わらず、このような検索例は少ないからである。また、「大学生」「ビジネスマン」「子供」「定住者」など学習者の属性、「集中クラス」「多人数クラス」「独習」など学習形態、「コミュニカティブ」「プロジェクトワーク」「ゲーム」など学習方法と多種多様にあるはずであり、「会話」に集中した理由は手元のデータでは解明できなかった。検索項目に関しては、日本語教育のエキスパートから見ても順当なものであると判定できた。 本研究の成果は、出版目録や広告における効果的な記述、ニーズに応じた教材開発などの分野で応用することが期待できる。
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