研究概要 |
確率過程の汎関数の漸近展開に関する研究を行った. (1)ジャンプ型マリアヴァン解析によって,超関数のジャンプ型汎関数による引き戻しの一般化期待値の漸近展開を与え,渡辺理論のある種の一般化を行った. (2)ダブル・エッジワース型展開によって,汎関数の条件付漸近展開を与え,フィルタリング問題へ応用した.シミュレーションによって,棄却サンプリングによるモンテカルロ法に比べ,精度が良いことを確認した.計算速度もPCによるモンテカルロ法で90分かかる計算が,漸近展開によると一瞬でできることや,SDEの係数の変更が容易に行える利点がある. (3)パーシャル・ミキシング過程の汎関数に対する漸近展開. (4)オイラー・丸山近似,摂動法,モンテカルロを組み合わせ,制御変数法を確率微分方程式の摂動の状況で具体化した(ハイブリッドII法).良い近似を与えることを数値実験で確かめた. (5)薬効に関するブリッジングスタディに関連した経験分布関数の2標本問題,コックスモデルの一般化,ゲノム解析におけるクラスター分析等.
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