正規分布の平均が環状に順序が付いているとき均一性を検定するための一般化Bayes検定を導き尤度比検定と検定力の比較を行い最小値はほとんど変わらないが最大値はかなり大きくなることを示した。無情報先験分布として対立仮説の作る凸多面錐体の中心から最も遠い角ベクトル上に一様分布をとらないと良い一般化Bayes検定が得られないこと、また最も遠い角ベクトルは2つづ組みをなし中心ベクトルと等角で交わることを明らかにした。平均に単純順序がついているときおよび樹状順序が付いているときも同様な考察により半正規分布を先験分布にとりBayes検定を導きその極限をとることにより一般化Bayes検定を導いた。これらの検定の検定力の比較が今後の課題である。 正規直線回帰変化点模型において分散が変化点前と後で異なるとき、無情報先験分布に対する分散比の事後分布を導き信頼区間を構成することにより分散の均一性を調べるためのBayes検定を求めた。これは計算は複雑になるとはいえ、従来の最尤推定量の漸近正規性を用いる検定よりも小標本の時に正確に検定できるのでよい。これを腎臓移植後の生存データに適用し拒絶反応前と後とで分散に変化があるとはいえないことを明らかにした。
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