研究概要 |
本年度は,本研究の最終年度にあたるため,本テーマの発展の方向を模索する2つの活動を行った.一つは(1)本研究の主ターゲットの一つである教育支援システムの研究動向の調査,もう一つは(2)より広い枠組みでの,ヒューマンインタフェースの研究動向の調査である.(1)に関しては,2001年8月5日からOsloで開催されたInternational Conference on Computer in Educationに参加し、本研究で得られた成果を発表するとともに,関連する研究動向の調査を実施した.(2)については,2001年7月から9月までの3ヶ月間,日本学術振興会の二国間研究者派遣プログラムの支援も受けて,FinlandのOulu大学情報処理科学科に滞在して,ヨーロッパにおけユーザインタフェースの研究動向の調査に携わった.本調査で明らかになったことは,以下の通りである. (1)教育支援システムの研究においては (1.1)これまでの学校教育中心の視点から,社会人教育,それも専門職の再教育の方向に大きくシフトしている. (1.2)インターネットを利用した教育と,face-to-faceの教育をどう融合するか,という点が,現在の中心の話題である (2)ユーザインターフェースの研究動向としては (2.1)従来の「画面上のデザインや使い勝手をどうするか」という次元から,「情報にどうアクセスするか」という次元へ転換している (2.2)単なるデザインの問題から情報アクセスへのフレームワークの転換の時期に来ている 特に(2)については,昨今急速に注目を集め始めたユビキタスコンピューティングの枠組みが,ディジタルシステムが作るサイバースペースと実世界を結ぶ枠組みとして,有効に働くこと明確になった.以上の調査成果を踏まえ,次年度からの研究テーマの策定を完了した.
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